1年以上、持ち続けた3冊目の点訳本がようやく終了の運びとなりました。
と言っても、ここからまだ、校正に出して2回ぐらい訂正と校正を行き来したあとに、点字印刷して製本にだすので、点字図書館の本として完成するのは、さらに1,2か月かかりそうですが、ひとまずやれやれというところです。
こんなに時間がかかったのは、期限が無いというところと、昨年の秋は忙しく、中断状態のときがあったからです。
このような状態ですが、次年度もメンバー登録をする予定でいます。1年かかっても、ボランティアで1冊の点訳本が出来上がるので、迷惑なことではないでしょうと思うのと、出会った本との縁が楽しめることも、大きいです。
今回の3冊目の本、「夜明けの縁をさ迷う人々」小川洋子著は、9つの短編集ですが、独特の風合いのお話で、それなりにどの話も楽しめました。
といっても、楽しい話ではなく、ありそうで、あり得ない話ばかり。作者の書きたいイメージが具体的な話になって表わされているのでしょうけど、話のどこからか、極端な、風刺、誇張、現実離れが始まっていて、当惑しているうちに結末を迎える。「夜明けの縁をさ迷う人々」というだけあって、登場人物は皆、ひと癖があり、あまり冴えないが、左程暗くはない。
しかしながら、全編共通して、内容、筋とは関係なく、中心人物の描写、思いにあたる部分の言葉の表現が、私には絶妙に感じられ、小説を読む醍醐味を味わわせてもらえました。
点訳に話を戻すと、今までの2回は、校正に出した後の訂正個所がどっさりあったので、今度こそは、常識的な数に抑えたい。なので、もう1週間、墨字印刷したものを、じっくり見直す予定です。