家には、アップライトピアノが1台あります。
娘二人が、社会人になった今も(下はこの春から)、時々弾きます。
どちらも音楽家ではありませんが、趣味の範囲で楽しみ、仕事にも生かしています。
でも、実はこのピアノは、娘の音楽教育のために買ったものではなく、
私が結婚の際に、持って来たものです。私のものだったからですが、
その時点でまだ新しく、私はバイエルの次の段階の途中ぐらいで、かつてよく目標とされた
『エリーゼのために』もどうにかこうにかというところでした。
子どものころ、ヤマハ音楽教室のオルガンコースに2年間通ったことがありました。
このタイプの習い事のはしりだったかもしれません。このコースが終了したとき、次ピアノコースへ進むかというところで、
ピアノに進むならピアノを購入しなければなりませんが、そのときの住宅事情、家のようすからして進ませてとはいえませんでした。
ショックなことに、場所ふさぎと言う理由で、そのときあった電気オルガンも他に譲ることになってしまったのです。
年月がたって、皮肉なことに私が進学した先のカリキュラムにピアノが必要で、
10年以上たって、親の考えも家の状況も変わっていたせいか、
新品のピアノを今更のように、買ってくれたのでした。
確か、父が「今買っておくと、お嫁入り道具にもなる」??と言っていました。
そして、その言葉どおり、お嫁入り道具に持ってきて、
当然のように、娘達にピアノを習わせることができました。
趣味のスタンスで、長く習い続けてくれました。ほかに、いくつか習い事をしましたが、
娘達に一番感謝されているのが、このピアノの早期教育です。
教育は一代ではできないということを、あらためて実感します。
父は、深い意味はなかったかもしれませんが、
父のピアノ、とても役立ち、「今も娘達が名曲をいっぱい弾いてくれていますよ」と、
心の中で語りかけています。