NHK教育の『”星の王子さま”と私』の番組を見ました。
サンテグジュぺリの「星の王子さま」は、私の愛読書の1つですが、
この本のファンは世界に700万人以上に上るそうです。この本を好きになる人は、
静かに熱烈に好きになりますが、一方で一体どこがそんなに良かったのかわからないという人もいます。
今回番組で話していたのは、終始このお話の魅力に迫ることがらで、
星の王子さまファンには、とても満ち足りる90分でした。
一昨年ぐらいから、「星の王子さま」の翻訳が自由にできるようになったのがきっかけで、
色んな人の訳の本が書店に並ぶようになりました。私も、興味深く思っていましたが、
もう17種類くらい出ていると知り、今更ながらこの本の関心の高さを思います。
今回は、このことを取り上げて、様々な訳の仕方から、キーワードを読み解くことがなされていました。
それで新たに、アプリボワゼというフランス語を知りました。
直訳すると、「飼いならす」という言葉だそうですが、「絆をつける」「なつく」「仲良くなる」という意味などもあり、
キツネとの一見たわいない、しかし深遠なる会話を繰り広げる中に、何回も使われています。
アプリポワゼするには、相手のために自分の時間をたくさん使わなくてはなりません。
そして、アプリポワゼした相手には責任があるのです。
キツネと関わりを持つ中から、王子さまはそのことに気付くのです。
王子さまバラの花への思いを軸として、人の世界への深い洞察、生きる上で大切なこと、
生きる意味などがすべて書かれています。
そして、この話のキーワードの1つである「大切なものは目に見えない」の通り、
心を働かして読まなければ何も伝わって来ない、そんな本だと思います。
読む人の心に合わせて色んなメッセージが伝わってくるのです。
夕日の沈んで行くのは、人を感動させます。
王子さまは、自分の小さな星で、寂しくなる夕日を、後ろに椅子をずらしながら、
1日に44回見たことがあると話しています。
色んな訳の本、興味深く思いますが、中に首をかしげるようなものもあるのは残念です。
世の中に愛するものがあるなら、そのために世界は違って見えるでしょう!このことに共感される人は
きっと「星の王子さま」のお話に、無関心ではいられないと思います。